それでも愛おしい花  -センニンソウとカリガネソウ-

先日、顧問先企業の会長さんが亡くなり、昨夜は通夜、今日は午後から告別式である。中小企業とは言え、戦後のどん底から這い上がり、日本経済を支えて来た強く逞しい経営者がまたいなくなってしまうことは実に寂しいことだ。経営を支援する税理士の私の方がむしろ多くのことを教わったように思えてならない。
 落ち着かない中ではあるが、準備していた記事をそのまま投稿しよう。今回はいま我が家に咲く花のうち、鉢植えのセンニンソウ(仙人草)とカリガネソウ(雁金草)である。どちらも敬遠されがちな特徴を持つが、それでも花は美しく、愛おしく、他の花との差別感はない。

 センニンソウはキンポウゲ科センニンソウ属のつる性山野草。十字形をした白い花弁のように見える部分は萼片で、実は花弁はない。葉脈から細長い円柱花序を出して白色花を多数つける。キンポウゲ科の植物には有毒のものが多いが、センニンソウもウマクワズ(馬食わず)という別名があるように馬も食べない毒草である。ところが、花言葉は安全、無事だという。なんとも不可思議である。


 カリガネソウはシソ科カリガネソウ属の山野草。球形のつぼみが開いて薄紫のユニークな花が次々と開花する。とても個性的で素敵な花ではあるが、独特の葉の匂いが好ましいとは言えない。この匂いを敬遠して庭に植えない人は多い。私も鉢植えだ。人は五感によって世界を認識するが、この花を理解するとき、視覚と臭覚のいずれを優先するかである。
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